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2012/4/24
「中国伝統医学薬にアレルゲンや毒素」

　オーストラリア税関・国境警備局および国際野生動物取引（WIT）部門が差し押さえた中国伝統医学薬に対しDNA解析を行ったところ、その多くに、消費者にアレルギー反応や毒性反応を引き起こしうる量および組み合わせの植物成分が含まれていたことが、新しい研究で明示。

　最先端のDNAシークエンス技術を用いた研究の結果、一部の中国伝統医学薬には危急種（vulnerable）や絶滅危惧種（endangered）、近絶滅種（critically endangered）として公式に認定されている動物の一部が含まれているエビデンス（科学的根拠）も。今回の研究で、オーストラリア、マードックMurdoch大学生物科学・生命工学部オーストラリア野生生物犯罪科学科・古代DNA研究所のMichael Bunce氏らは、15種類の中国伝統医学薬のサンプルを対象に、DMA検査を実施。

　検査の結果、いずれのサンプルも正確な成分表示をしていないことが判明。全体で、68の科の植物が同定され、複雑な組み合わせも。植物の中にはアレルゲンとなりうるものが多数あり、過剰投与すれば毒性となりうるマオウ（麻黄）属やアサルム属も。また、4つの動物種に由来する成分も認められ、ツキノワグマやサイガアンテロープ（ウシ科サイガ属）など違法に入手された保護種も。

　Bunce氏は「DNA検査の結果、違法な成分が含まれ、製品がその成分について正確に表示していないことが判明した。今回の研究は有効性ではなく、正確かつ正直な製品表示に関する研究である。薬草（ハーブ）の合法性を慎重に評価し、成分および薬理学的活性を正確に公表する必要があることは明らかであり、ルーチンのDNA検査は、製造業者や輸入業者にその製品に正確なラベル表示を行うよう“警告”を与えるのに役立つ可能性がある」と述べている。


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