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変形性ひざ関節症の治療法

関節痛と言うと、最もポピュラーなものは「ひざ関節痛」ではないでしょうか?その中でも最もポピュラーなものが「変形性ひざ関節症」ですね。患者人口は何と2500万人とも言われています。

ただ、変形性ひざ関節症は、数年から十数年という非常に長い年月をかけて進んでいくもの。「潜伏期」→「初期」→「中期」→「末期」→「終期」という5段階のプロセスを経て悪化への道をたどっていきます。今回は最後にその治療法についてご案内します。

とにかく、変形性ひざ関節症は、何の治療もケアもせずに放っておいたら、どんどん悪くなる一方です。痛みがどの段階であろうとも、できる限り早く対策をとらねばなりません。以下、主な治療法をご紹介していきます。

1.関節内矯正

別のコラムでご紹介したように、関節内矯正は、変形性ひざ関節症に対してたいへん有効です。初期であれば、2〜3回の治療で痛みがきれいにとれるはずです。1週間に1回の治療を受けたとして、2〜3週間で治すことができるでしょう。

ただ、後期になってしまうと、10回くらいの治療が必要になってきます。治療にも2〜3か月は見ておいたほうがいいでしょう。進行が進むとさらに時間が かかり、半年くらいかかるケースもあります。

なお、あまりにO脚がひどい状態になってしまうと、関節内矯正を行なっても治療が難しくなる場合があります。

2.ひざの水を抜く

初期の段階では、ひざが腫れたり、ひざに水がたまったりという症状が頻繁に起こります。ひどい状態が続く場合は、整形外科に赴き、注射でひざの水を抜く治療を受ける必要があります。

ただし、炎症が完全に治まっていないと、一度水を抜いても再び水がたまってしまうことが少なくありません。ひざにたまる水は関節液です。この関節液は有害物を排除するために分泌されるものであり、「ひざに水がたまるのは一種の防衛反応だ」という説もあります。

だから、むやみに水を抜くのは考えもの。水を抜くのは、患部の腫れや痛みがあまりにひどい場合だけにしたほうがいいでしょう。

3.ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸はもともと関節内にある成分で、しかも、炎症を抑える作用があります。このため、整形外科では、ひざの水を抜いたあとにヒアルロン酸を注入する治療がよく行なわれています。

以前はステロイド剤が用いられていましたが、炎症を鎮める作用が強い一方、副作用が強く出ることが多いため、最近はあまり使用されなくなってきています。

4.薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、湿布、飲み薬、塗り薬などが用いられます。もっとも、関節の問題を根本的に解決する治療を第一に優先するべきで、薬はあくまで補助的・対症的に用いられるべきもの。あまり頼りすぎない姿勢も大切です。

5.包帯&ひざサポーター

ひざ痛を抱える人が患部に包帯やサポーターを巻くと、たいへん歩きやすくなります。ひざ関節の支特性が強まって、ひざが伸びやすくなるのです。

包帯を用いる際のコツは、落ちない程度にゆるめに巻くこと。あまり強く巻きすぎると、かえって関節の動きが悪くなってしまいます。また、ひざサポーターは、伸縮性の高い、自分のひざに合うものを選ぶようにしましょう。

6.足底板

O脚が進んでいる人は、靴の中の小指側に「足底板」を入れると、ラクに歩けるようになります。足底板を入れると、ひざが内側に押し込まれる格好になるため、関節内で軟骨同士がぶつかりにくくなるのです。

足底板はさまざまな高さ・サイズのものが市販されています。ぜひ、自分の足に合った高さのものを選ぶようにしましょう。

なお、O脚の人は、靴底の小指側が早く磨り減ってくるもの。磨り減る前にまめに新しい靴に替えるようにすれば、ある程度、O脚やひざ痛の進行を防ぐことにつながります。靴底の減り具介は小まめにチェックするようにしましょう。

7.運動療法

前の章でも述べたように、運動は「歩くこと」とお風呂での「ひざ曲げ伸ばし体操」が有効です。また、プールでの水中ウォーキングなら、ひざへの荷重負担がかからないため、痛みをあまり感じることなく足の筋力をつけることができます。

8.手術療法

変形性ひざ関節症の手術には、骨を切ってつなげ直していくことでO脚を治す「高位脛骨骨切り術」と、ひざに人工関節を埋め込む「人工ひざ関節全置換術」とがあります。

ただし、いずれの場介も、身体的負担が少なくない手術です。手術は、「終期」段階で症状がひどく、ほかに治療の選択肢がまったくないという場合の最後の手段として考えるほうがいいでしょう。

変形性ひざ関節症の治療法についてご理解いただけたでしょうか?

なお、関節痛を軽減・治癒する目的で、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸などの成分が配合されたサプリメントが市販されています。こうしたものを利用するのは「9番目の方法」と言えるかもしれませんね。サプリメントも上手に活用しながら、関節痛を予防・治療していきましょう。

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