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関節のクッション機能低下が命取り

関節痛と言うと、最もポピュラーなものは「ひざ関節痛」ではないでしょうか?

ではなぜ、ひざが痛くなるのでしょうか。その答えは、とてもシンプルですね。ひざが、体のうちでももっとも体重がかかり、負担が集まる関節だからです。

大きな負担がかけ続けられると、ひざの関節にどのような変化が起こるのでしょうか。

ここで、ひざ関節の構造について、少しご説明しておきましょう。ひざ関節とは、「大腿骨」(太ももの骨)と「脛骨」(けいこつ:すねの骨)とが接する部分を指します。関節寄りの大腿骨の前側には、「ひざのお皿」、すなわち、「膝蓋骨」(しつがいこつ)があります。

関節内の大腿骨と脛骨の先端は、硬い骨同士が直接ぶつかり合わないよう、3〜5ミリの厚さの軟骨によって覆われています。さらに、ふたつの骨の間には、「半月板」と呼ばれる軟骨が座布団のように前後に挟まっています。こうした軟骨や半月板は、ひざにかかる荷重負担や衝撃をやわらげるためのクッションの役割を果たしているわけです。私たちが走ったり飛び跳ねたりすることができるのも、状況に合わせてひざをなめらかに動かすことができるのも、このクッション機能が正常に働いているおかげだといっていいでしょう。

もっとも、このクッション機能は、関節を使えば使うほど、低下していってしまいます。半月板や軟骨は、ぶつかり合い、こすれ合うたびに磨耗していく、いわば消耗品です。スポーツで大きな衝撃をかけ続けたり。長年にわたり関節に負担をかけ続けたりすることによって、どんどん磨り減っていってしまうのです。

しかも、いったん磨り減ってしまうと、修復されにくい。だから、関節に無理な負担がかけ続けられると、半月板が傷ついたり、軟骨が磨り減ったりして、年月とともにじわじわとクッション機能が衰えていってしまうわけです。

軟骨の磨耗が進むと、軟骨が変形したり、「骨きょく」と呼ばれる突起ができたりして、より関節に痛みを感じやすくなります。これが変形性ひざ関節症の典型的な症状です。

また、さらに軟骨の磨耗が進むと、やがて軟骨の下の「滑膜」(かつまく)が露出してきて、滑膜同士がぶつかり合うようになります。そして、その滑膜すら磨耗してしまうと、大腿骨と脛骨の骨同士が関節内でぶつかり合うようになります。もちろん、クッションを失ったひざには、歩くたび、動かすたびごとに大きな痛みが走るようになることでしょう。

ひざ痛になるか、ならないか―それは、ひざ関節のクッション機能をどう健康にキープできるかにかかっているといってもいいのではないでしょうか。

なお、関節痛を軽減・治癒する目的で、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸などの成分が配合されたサプリメントが市販されています。こうしたものも上手に活用しながら、軟骨のさらなる磨耗を予防し、関節痛を治していきましょう。

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